イントロダクション

固い絆のもと黒人と白人を率いて、真の自由を求めて戦ったニュートン・ナイトアメリカ史が封印してきた奇跡のリーダーの驚愕の実話

今からおよそ150年前、アメリカに耳を疑うようなヒーローが実在した。南北戦争が激化するなか、黒人と白人が手を結ぶなどあり得なかった南部において、貧しい白人の脱走兵と農民たち、逃亡した黒人奴隷約500人で結成された反乱軍を率いて、南軍100万人に立ち向かったのだ。彼の名はニュートン・ナイト、目的は〈真の自由〉だ。1864年、出身地であるミシシッピ州ジョーンズ郡に、肌の色、貧富の差、宗教や思想に関係なく、誰もが平等な〈自由州〉の設立を宣言した。言わば、リンカーン大統領よりもひと足先に、奴隷解放を成し遂げ、アメリカを大きく動かすこととなるのだ。
大ヒット作『ビッグ』、『デーヴ』の脚本でアカデミー賞®にノミネートされ、監督・脚本を務めた『シービスケット』では、同賞作品賞を含む7部門にノミネートされたゲイリー・ロス。エンターテインメントと社会性が融合した人間ドラマの名手が、歴史の中に封印されたニュートンの伝説を、全世界の人々に伝えることが映画人としての使命だと決意、10余年の歳月をかけてリサーチを徹底し、監督、製作、脚本を手がけ、遂に映画化を実現させた。

オスカー俳優マシュー・マコノヒー主演 今を生きるあなたにこそ伝えたい世界の未来を温かく照らす感動の物語

それは、14歳の少年の夢を砕いた1発の銃弾から始まった。時は1862年、南北戦争で二つに引き裂かれたアメリカで、ニュートン・ナイトは甥の遺体を家族に届けようと南軍を脱走する。故郷で仲間の農民たちから農作物を奪う南軍と衝突したニュートンは、追われる身となって湿原に身を隠す。そこで出会った黒人の逃亡奴隷たちと友情を築いたニュートンは、黒人と白人が一つになった前代未聞の反乱軍を結成し、自由のために立ち上がる──。

ニュートンを演じるのは、『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞を始めその年の主演男優賞を総なめにした、ハリウッド演技派俳優の最高峰、マシュー・マコノヒー。すべての人間は平等だという信念を胸に、弱い者、貧しい者に寄り添う優しさと、自由のためなら死も恐れない不屈の精神を持つ高潔な男を、自身のカリスマ性と重ね合わせて演じきった。ニュートンの運動を支援し、のちに人種の壁を越えて結ばれるレイチェルには、『砂上の法廷』のググ・ンバータ=ロー。ニュートンが深い信頼を寄せる、どんな圧力にも屈しない気高い魂を持つ逃亡奴隷のモーゼスには、『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』や『Moonlight』(原題)のマハーシャラ・アリ、ニュートンの妻、セリーナ役には、『奇跡のシンフォニー』のケリー・ラッセル等の演技派俳優が集結した。
製作には、『ハンガー・ゲーム』でコンビを組んだジョン・キリクや、『デンジャラス・ラン』のスコット・ステューバーが担当。アメリカ南部の豊かな自然を捉えた撮影監督は、『博士と彼女のセオリー』のブノワ・ドゥローム。また、グラミー賞に3度輝いたルシンダ・ウィリアムスが主題歌の作曲を手掛けた。

これは、遠い時代の遠い国の物語ではない。アメリカだけでなく世界各国で、今この瞬間も人種の違いにまつわる争いは様々な形で起こっている。人間にとって一番大切なものは何かを問いかけ、世界の未来を温かく照らす、比類なき英雄の驚愕と感動の実話が完成した。